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家業の継承と公共事業への挑戦

  • 水道業
有限会社みその水道設備工業 御園 洋一のインタビュー記事
御園 洋一代表取締役のプロフィール画像

水道というライフラインをみその水道ならではの連携、技術、経験で支え、皆様の生活に安心をお届けします。

有限会社みその水道設備工業御園 洋一さん 代表取締役

家業の継承と仕事観

――みそのさんは創業されて何年ぐらい経つんですか?

昭和52年の3月からで、今年で48年ですね。

――いつぐらいから今のお仕事をされているんですか?

いやもうずっとです。今50ですけど、高校行ったけどすぐやめて、ずっとやってるんで。だから職人歴はもう34年です。業務は水道工事が主ですね。水道工事だったらなんでもやります。

――家業を継がれるとき、仕事に対して嫌だとかやりたいとかはありましたか?自然に継いだ感じですか?

自然と継いだ感じですね。僕で二代目になります。長男は今日も現場で一緒になったんですけど、「頼む」って置いてきちゃいました。

――じゃあ皆さん、ご家族でやってるんですね。

そうですね。社員は、事務入れたら13人かな。うちの家内の義理の兄もいるし、従業員も専務の同級生だったりとか。赤の他人は本当に何人もいないです。

――お休みの日はどうされてるんですか?

仕事やってます。まるっきり一日休みって最近ほぼないです。仕事が趣味みたいな。今の時期忙しいんで、もう平日ずっと現場に入りっぱなしなんですよ。結構細かい仕事もやってるんで、日曜日とか祭日でまとめていくような感じです。

――先代の社長もそういう感じだったんですか?

全然違います(笑)

――その働く意欲はどこから湧いてくるんでしょうか?仕事中心なのは最初からですか?

最初からです。日曜日なのに行って仕事してたりして、現場の監督に「なんでみそのさん来てんの?」って。でも日曜に半日ぐらい準備しといた方が後がすごい楽なんですよ。別に平日にやればいいのに。家にいるのが嫌だとかじゃなくて、多分、もともとそういう性分なんでしょうね。

――ご自身で仕事は合ってると思いますか?

合ってると思いますね。水道関係も幅広いんですよ。道路の水道の本管もあるし、住宅の水道もあるし、で工場もあるし、知らないこともまだまだいっぱいありますし。

――探究心があるというか。

ありますね。だから「こういうのできる?」って言われたら断んないです。「あ、いいですよ」って。「ちょっと今いっぱいでできません」っていうの、逆にちょっと悔しいです。

――仕事を入れられないのに、できますって言っちゃう。そこから考えるみたいな?

「なんとかなるだろ」っていうのはあります。

――社長の人生が大きく変わったなと思うことはありましたか?

今思えば、もう亡くなっちゃったんですけど、うちの先代からお世話になってる社長がいたんですよ。自分も幼少期から知ってるんですけど、あの人に面倒を見てもらってからじゃないですかね。うち元々、一般住宅の仕事ばっかりだったんですけど、その社長にマンションの仕事やってみようって言われて。そうしたら勝手が違うってなってびっくり。何もわかんなかったです。それから大きい物件もできるようになって、今に至るんですけど。

――その方は何をされていた方なんですか?

同業者です。要所要所で何かをやってみようって声を掛けてくれたり、助けてくれたりとか。その人がいなかったら多分今の自分はいないと思います。

 

家内工業と現場での働き方

――社長的に許せないことってありますか?

許せないわけじゃないですけど、人の愚痴を言ったりするのあんま好きじゃないです。聞くのも好きじゃないです。

――なぜそう思いますか?

自分の中で、仲良くなれない人っていないなってずっと思うんですよ。誰だって気の合う友達っているじゃないですか。自分が歩み寄っていければ、誰でも友達になれるかなって思うところがあるんで。愚痴っちゃうと反対のことじゃないですか。だから愚痴を言ったり聞いたりするのは好きじゃないです。

――コミュニケーションとか相互理解みたいなものを大事にされてるんですね。

社員にはね、うまくできてないんですけどね。

――社員の方には厳しいんですか?

基本何も言わないです。ほんと何かあった時くらいで。自分がグチグチ言うのが好きじゃないですよね。言われるのも好きじゃないし。

――身内の方と一緒に仕事をやってこられて、文句が出たりしないですか?

自分はあんまり感じないです。周りにはよく言われますけどね、「身内でやってると喧嘩になっちゃうよ」って。だから分業してやったほうがいいってアドバイスを受けた時にそういう話をして、今は専務と自分の仕事は分けてます。

――家業は今後、さらに息子さんにも引き継ぐんですか?

自分の倅たちにはまだそれはやれないですね。でもいつか、「お前が継ぐんだよ」って言った時に、なるべく人がなるのかなと。

――継いだ後も、何歳まで現場に出てるとかイメージはありますか?

俺はずっと現場に出てたから、何歳までとか考えてなかったですね(笑)。倅たちもそういうふうに跡を継いでもらえればって思います。自分は、先代から跡を継いでねとかって全然何も言われなかったので。65ぐらいで代われればいいかなと思ってますけど、あんまり考えた時ないです。結構ズボラなんで。

――現場に出るのがほとんど、と伺いましたけど、どういうところが自分に合ってると思いますか?

[お母様]子供の頃から体動かして働くの好きだったよね。4人兄弟の中で一番働き者だった。

もともと多分そういう性格だと思います。自分がやらないと気が済まないみたいな。

――幼少期からお仕事に携わっていたんですね?

そうですね。だから何もなくても、自然と現場に出る感じでした。

[お母様]忙しいからすぐ手伝えって先代に言われてね。でも「遊びに行くから行けないよ」みたいなことは言わなかったですね。

中学生の時とか、仕事手伝った記憶ありますもん。

――家内工業の良さはどういうところにありますか?

良さ…まあ、弟とかだったら全部言わなくてもわかってるみたいな、そういうのは互いにあると思います。まあまあ他人でもそんなのはあるんでしょうけど。

――阿吽の呼吸みたいな。ベースにある信頼関係とか。

あぁ、身内だとそれあると思いますね。

――家族っていう関係と、会社を良くしたい共通の目標がある仲間の両方があるのがすごく強いですよね。

そうですね。身内で固めたわけじゃないんですけど、自然にみんな固まってきて。

――みそのさんを見ていると、家内工業の良さが感じられますね。だから人が集まってくるんでしょうか?

なぜでしょうね…?自分で言うのもなんですけど、この界隈で多分みその水道って結構知名度あると思うんです。同業者でこんな人数いる会社さんってあんまないんで。結構大きい仕事も叩くし、小さい仕事もやるし。

――お仕事で今までで一番苦労したことって何ですか?

ポンプメーカーの大きい倉庫をスーパーゼネコンが作ってたんですけど、そこの事務所の工事があって。先代から始まった仕事なんですけど。電気屋さんから、発注金額が大きすぎるから電気屋さんだけではできないと言って、みそのさん直接やってねってなって始まったんですけど。実際現場が始まると、施工図作って確認してもらって、じゃあやりましょうって、いろいろ段取りがあるんですけど、うちの先代は一般住宅で育っちゃったから、そういう現場は不得意なんです。でもう、出足が遅くて。それで現場の所長がうちの先代と揉めて、先代も「俺は行かない」って言って。最初こう、コンクリートの中に、スリーブ、紙のパイプを入れるんですよ。それもちゃんと図面を起こして出してOKってやる流れもなくて。そのうちに、実際の施工日になっちゃって。現場の監督は、うちの職人連れて先代が行っても、口も聞いてくんないんですよ。

その時にまだうちで図面書いたりができなかったんで、さっき言ったその自分が世話になった社長に、うちの専務がヘルプするわけですよ。「機嫌悪いからちょっとなんとかしてくれない」って。「うちの誰々回すからお前やってやれよ」「困らせんじゃねえ」って一喝食らって。自分も泣く泣く現場行って、そこの所長に頭下げたら、それからもう目の敵にされて。いやもうすごかったですよ。若いのがちょっとダラダラってやってたら、現場に何十人いるのに、もう名指しで「なんだそりゃ!」って、もう散々言われましたね。後にも先にもあの人だけです。

――そのお仕事は、一応無事に完了したんですか?

そうそう、代理人さんをつけてくれて、図面もバンバン作ってくれて。それからとりあえず文句は言われなくなって。で、うちがちゃんとやってたもんだから、矛先が電気屋さんになっちゃって(苦笑)。

 

家内工業の継承と公共事業への挑戦

――地元のお仕事が多いんですか?

そこまで多くないです。例えば今日行ったのは館山でした。仕事があれば関東とか全国も行きます。

[お母様]今一般家庭の漏水しているとこも多いものね。どんどんこっち来ちゃうわね。

そう、地元だと組合に入ってるんですよ。

[お母様]すぐにそのみその水道を指名するお客さんもいるから。そういう細かい仕事は今は先代がいるからすぐに見ていられるけど。

まあ先代がいるから助かってますね。地元の仕事は漏水当番っていって、もう当番制になってるんですよ。道路で水を吹いたとか、宅内で漏水してるって電話を受けて、そこに行く感じですね。

――この間の道路が陥没したニュースもありましたけど、改めて水道って重要ですよね。

そうですね。我々の仕事ってほぼほぼ見えないんですよ。衛生器具が見えるとか、外だったら枡の蓋が見えるとか。だいたいメインは地中とか隠蔽部なんで。

――社長から見て、自社の魅力って何だと思いますか?

結構同業者から頼まれるんですよ。ちょっとうちじゃ、これはボリュームがでかすぎてできないって。多分、そこがうちの強みです。経験もあるし、規模が大きくて人数もいるので。

――信頼されているんですね。社長から見て、先代はどんな方ですか?

やっぱり経営者としては自分より全然数段上だと思います。自分、現場派なんですよ。で、先代も現場に出ますけど、従業員抱えるようになってから結構ドーンと構えてて、自分も早くそういう風になりたいですね。

――でも社長ご自身は現場派なんですよね?

多分、ずっとなんですよ。周りによく、「なんで社長がそんな現場出てるの?」ってよく言われます。でも俺はこうだからいいんだよって。

――お母様は専務なんですか?

うちのお袋は何も役職はついてないです。影の社長ですから。

――いろいろとバランスを取っていただく、みたいな感じですか?

そうですね。次男が入ってきて一年、二年ぐらいですけど、今お袋のやってる業務をこう少しずつ引き継いでいこうかなと。

――ご家族がやってたことを引き継ごうっていうのはいいですね。

うちのお袋がやってることは会社の肝なんで。多分自分がそこまで手をつけられないし。分担できていけたら。

――会社で挑戦したいこととか、今後こういうふうにしていきたいってありますか?

もっと公共事業の仕事をやっていきたいですね。今は組合の理事にもなってるんですよ。水道の本管工事とかほぼ入札物件なんで、結構アタマ張ってやってるのが回してくれるんですよ、みそのさんで、と。だけど実際うち工事できないんですよ。やろうと思えばできますけど、他の現場もあるし、道路工事で人数取られちゃうんで。うちが取って違うところに依頼することがあります。だから、そういうのを自社でどんどんできていければいいのかなと思います。

――水道工事について、注目してほしいことはありますか?

よくCMで見るような水のトラブル対応する業者ってあるじゃないですか。漏水しちゃったとか詰まっちゃったときに、結構、水道で何かあった時にどこに頼めばいいのかって知らない人多いんですよ。だからそういうCMやってる業者とか頼んじゃって、結構費用金額取られちゃう時もあるんですよね。だから地元の水道業者として、何でもできるようにもっともっとなっていければなって思いますね。

有限会社みその水道設備工業

有限会社みその水道設備工業

千葉県

千葉県を中心に、大規模な街のインフラから個人住宅までを対象に、水道に関する幅広い業務を行う。家内工業の強みと業界屈指の従業員数の多さを活かし、地域の漏水相談にはもちろん、他社では受けられない規模の業務も請け、水道の安全を守っている。

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